TOP > インタビュー > 横浜F・マリノスユースの若き才能がiDEPと描く未来〜「なりたい自分」を可視化して目指す世界への道

2025.10.01

横浜F・マリノスユースの若き才能がiDEPと描く未来〜「なりたい自分」を可視化して目指す世界への道

目次

     

    横浜F・マリノスユースの選手たちは、自身の成長と未来のためにどのように「iDEP」を活用しているのでしょうか。今回は、ユース所属、高校3年生の加藤 海輝(かとう かいき)選手と、高校1年生の松永 翔(まつなが かいと)選手に、iDEPの使用体験、そして今後の目標について伺いました。

     

    【加藤 海輝選手】幼き日の憧れから日本代表へ!ダイナミックなボランチがiDEPで描く世界への道marinos46270

    写真提供:F・マリノススポーツクラブ

     

    ──加藤選手、本日はお忙しい中ありがとうございます。まずは、横浜F・マリノスユースに所属したきっかけを教えてください。

    加藤選手: 小学2年生の時に、兄がサッカーを始めた影響で自分も始めました。マリノスに入ったのは小学3年生の頃です。兄の友達がマリノスに入ったのを見て「自分も行きたいな」と思ったのがきっかけです。スクールに通い始めてから正式なセレクションを受け、マリノスに入ることができました。セレクションはとても狭き門で、350人中5人くらいしか受からないと聞いていたので、両親も受かるとは思っていなかったようです。中学や高校に上がる際にも内部セレクションがあり、中学でユースに上がれずに他のチームに行く人もいました。自分はユースに上がれるかどうかのボーダーラインだと考えていたので、上がれたのは運が良かったのだと思っています。

    IMG_4397

    ── ご自身のプレースタイル、これまでの日本代表の経験まで、加藤選手について詳しくお聞かせください。

    加藤選手: 自分のプレースタイルの特徴は、運動量の多いボランチで、「ボックストゥボックス」と呼ばれる、相手陣地から自陣ペナルティエリアまで広く動き回るスタイルを目指しています。得意なプレーは「ダイナミックなプレー」です。憧れの選手としては、守備ではエンゴロ・カンテ選手、攻撃ではポール・ポグバ選手が好きですね。特にポグバ選手の運動量と驚くようなダイナミックなプレーに魅力を感じています。

    日本代表にはU-16、U-17で選出され、パラグアイやカタールへの遠征も経験しました。選ばれたのは3回で、そのうち2回は追加招集だったので、これも運が良かったと思っています。海外遠征では、食事の面で日本食のありがたみを痛感しました。現地では食べられるものが少なく、体調管理が本当に難しくて…。カタールに行った際に、日本食を持参したり、水分補給の仕方を学んだりしました。海外での経験は良い学びになりました。

    また、第2種登録選手として、天皇杯に出場させてもらったこともあります。あの時出場できたのも、タイミングに恵まれたと思っています。

    ── 長年の努力と貴重な経験の積み重ねを感じます。そんな加藤選手にとって、iDEP、特にIDP(Individual Development Plan)は、どのような存在なのでしょうか。使い始めたきっかけから教えてください。

    加藤選手: IDPは、高校1年生の時に田島コーチとチーム全体でIDPの表を作る機会があり、そこで初めて知りました。それまでも、たまに紙に自分の課題や目標を書き出してはいたんですが、iDEPはそれがスマートフォンで入力できて、しかもコーチと繋がっているのが一番いいなと感じました。自分の課題を言語化することには悩むこともありますが、表にすることで、自分の課題ややるべきことがはっきりわかるので、すごくプラスになっています。

     

    ── 現在、iDEPおよびIDPはどのように活用されているのでしょうか。

    加藤選手: 現在は1ヶ月に1回、田島コーチとIDPについて面談しています。面談では、コーチが用意してくれたポジション別のフォーマット(キャリアプラン)を使って、「今、これに取り組んでいます」といった話をしながら進めています。このキャリアプランでは、何年までにどの代表に入るか、どんな目標を達成するかといったことを細かく設定していて、とても分かりやすいです。さらに、田島コーチが参考になるプレー映像と、自分が理想とする海外選手のプレー映像をiDEPのノートに追加してくれるので、それを携帯でいつでも見返すことができます。

    目標が可視化されることで、進路を決めるきっかけにもなりました。コーチからの客観的なフィードバックが得られるのは、非常にありがたいです。自分一人で振り返るだけでは気づけない点も多いので、月1回の面談は、貴重な機会となっています。面談の頻度も、自分の成長や振り返りを考えるとちょうど良いと感じています。

    IMG_4402

    ── iDEPを使ってご自身が変化したこと、また「ここがいい!」と感じる点について教えてください。

    加藤選手: iDEPを使い始めてから、自分自身にも大きな変化がありました。IDPに「課題にどう取り組むか」を記入するようになったことで、練習後の自主練の内容が具体的になりました。例えば、「練習後にシュートを何本打つ」といったことを書くことで、それが常に頭の中にあり、実際に練習後に取り組むことが増え、毎週の練習メニューも考えやすくなりました。また、自分だけでなく、チームメイトも自主練でやるべきことが明確になり、毎週取り組む人が増えたと感じています。

     

    ──  iDEPが加藤選手の成長を多角的にサポートできているようで嬉しいです。最後に、iDEPをどのように活用し、どのような未来を描いていきたいか、今後の目標や意気込みをお願いします。

    加藤選手: iDEPでも設定していますが、一番大きな目標は、海外のビッグクラブでチャンピオンズリーグに出場することです。そのために、まずは大学で1、2年生からレギュラーで試合に出ることが直近の目標です。今はそのために筋トレなどフィジカル面強化にも力を入れています。また、海外に行くためには、サッカーのスキルだけでなく、語学力も非常に重要だと感じています。海外で活躍するには実力はもちろん、言語も大きな問題ですよね。高校ではスペイン語の講座も取っているので、英語はもちろん、スペイン語もしっかりできるようになりたいです。将来的にはマリノスに帰ってきたいという気持ちもあります。サッカー、自炊、語学、学業と、やるべきことは山積みですが、頑張ります。

    marinos50699

    写真提供:F・マリノススポーツクラブ

     

    【松永 翔選手】驚異のスピードで道を切り開く!U-17W杯を目指す若き才能とiDEPの歩みmarinos46592

    写真提供:F・マリノススポーツクラブ

    ──  続いて、松永選手に伺います。横浜F・マリノスとの出会いから教えてください。

    松永選手:横浜F・マリノスとの出会いは、小学時代です。マリノスのスペシャルクラスに姉がスカウトされたのですが、姉が「弟がいるんですけど…」と話してくれたのがきっかけで、自分が行かせてもらうことになりました。そこからセレクションを経てマリノスに入団しました。当時は、自分がマリノスのスペシャルクラスに入れるレベルだとは思っていなくて…なので合格した時、家族はすごく喜んでくれました。

    IMG_4419

    ── ご自身のプレースタイルの特徴、そしてU-15、U-16日本代表としての海外遠征の経験についてお聞かせください。

    松永選手:自分のプレースタイルの特徴は「スピード」です。相手と1対1になったら、大体剥がせるくらいの自信があります。もともと小学校でも学年で一番早かったくらいなのですが、中学に入ってからさらに足が速くなり始めました。そのためのトレーニングもしています。

    日本代表としては、今までU-15、U-16に選出されました。U-15でウズベキスタンに遠征した時は、環境もプレーする選手も全然違ったので、ホームシックになりそうでした。まずはコミュニケーションを取ることから始め、自分の武器を出せるように意識しました。監督とも話し合いながら、良いパフォーマンスを出せたと思います。U-16での中国遠征では、途中出場だったのですが「ファーストタッチから絶対自分で行こう」と意識してプレーし、良いアピールができたと思っています。

    他の国の選手はもちろん、他の日本代表選手と比べると、トラップの質など、自分には技術面がまだまだ足りないと感じています。彼らはボールを持ったら何をしてくるか分からないような怖さがあり、自分はまだそこまで達していないことに歯痒さを感じます。

     

    ── 代表での経験は、成長に重要な刺激になっているのですね。松永選手は中学からIDPに取り組んでいらっしゃるとのことですが、iDEPを使い始めたときのことを教えてください。

    松永選手:IDPという言葉は、中学1年生の時にマリノスで紙で配られ、自分の長所や短所を書き出したのが最初です。心の中にある「ダメだ」と思う部分を書き出すことで、それが明確になり、プレーの幅が広がったと感じました。iDEPのシステム自体は、中学2年生くらいから使い始めました。主にスマートフォンから利用しています。

     

    ── iDEPでは具体的にどのような機能を活用し、どんな「良さ」を感じているか教えてください。

    松永選手:iDEPの中でよく使っているのは「ノート」機能です。田島コーチからは「ここはこうした方がいい」といったアドバイスや、海外選手のオフの動き出しなどの映像をノートで送ってもらっています。それを確認することで、自分のプレーに活かしています。

    IDPの項目(スピード、シュート、キャプテンシーなど)は自分で入力し、それを基に自主練の時間を有効的に使えるよう、習慣化しようと取り組んでいます。

    IDPの変更や更新は、コーチとの面談の際に話し合いながら行っています。「これはできるようになったから変更しよう」とか、「まだ足りないから追加しよう」といった感じです。

    iDEPを使い始める前は、サッカーノートなどはあまり書いておらず、自分の試合映像を見て、次の試合でどんなプレーをするか決めるという自己管理をしていました。iDEPを使い始めて良かったことは、自分の短所が目に見えて分かりやすくなったことです。何ができて、何ができないのかが可視化されるのが非常に良いと感じています。

    IMG_4439

    ── iDEPを使って、松永選手やチームに変化はありましたか?

    松永選手:iDEPを実際に使ってみたことで、自分自身に大きな変化がありました。元々得意ではなかった「オフの動き出し」が改善され、プレーの幅が広がり、サッカーがもっと楽しくなりました。また、自主練の使い方も、以前は何となくやっていた部分がありましたが、今ではやるべきことが明確化され、試合に近い形で練習に取り組めるようになりました。iDEPは自分だけでなく、チーム全体のプレー意識の統一にも繋がりました。多くの選手が心の中で感じているけれど言葉にしにくい「短所」を、iDEPを通じて明確に表せることで、チームの皆の成長に繋がっていると実感しています。

     

    ──  iDEPが松永選手やチームの成長の一助となっていることが大変嬉しいです。最後に、iDEPを活用して目指す将来のビジョンや、直近の目標について、意気込みをお願いします。

    松永選手: 憧れの選手は、リヴァプールFCのフリンポン選手です。彼は攻守万能で、ボールを持ったら絶対縦にいける選手なので、ストライカーの選手がクロスを待つくらい、速くて上手いんです。自分もフリンポン選手のように、スピードを活かした攻守に貢献できる選手になりたいです。

    直近の一番の目標は、今のマリノスユースのAチームでスタートから出る選手になること、そしてU-17ワールドカップに出場することです。今の世代は優秀な選手が多く、レベルが高いので、その中で活躍できるよう頑張りたいです。iDEPを継続して活用しながら、目標達成に向けて努力していきます。

    marinos46583

    写真提供:F・マリノススポーツクラブ

    取材を終えて

    加藤選手、松永選手へのインタビューを通じて、iDEPが個々の選手が持つ「なりたい自分」を明確にし、具体的な行動へと繋げるためのきっかけとなっていることがわかり、我々にとっても大きな刺激となりました。

    自身の課題を「言語化」し「可視化」することで、練習の質を高め、コーチからの客観的なフィードバックを成長の糧とする。さらには、チーム全体の意識統一やコミュニケーション促進にも貢献できているというご意見をいただき、iDEPの多面的な価値を私たちも再確認できました。

    海外ビッグクラブでの活躍やU-17ワールドカップ出場といった大きな目標を掲げる選手の挑戦を、iDEPはこれからも力強く支えていきます。横浜F・マリノスユースからサッカー界の未来を担う若き才能たちの活躍に、今後も注目していきます。

    IMG_5015

    写真提供:F・マリノススポーツクラブ

     

    横浜F・マリノスユース  MF

    加藤 海輝 選手 

    JFC FUTUROから横浜F・マリノスプライマリー、横浜F・マリノスジュニアユース追浜を経て、現在、横浜F・マリノスユースに所属。
    2024年、U-16日本代表に選出。U-17アジアカップ予選(10月)に参加。
    2025年、U-17日本代表に選出。パラグアイ遠征(2月)、U-17アジアカップ(4月)に参加。
    2025年、横浜F・マリノス2種登録選手に。

    横浜F・マリノスユース  MF

    松永 翔 選手

    バディーSC中和田から横浜F・マリノスジュニアユースを経て、現在、横浜F・マリノスユースに所属。
    2024年、U-15日本代表に選出。ウズベキスタン遠征(7月)、フランス遠征(10月)に参加。
    2025年、U-16日本代表に選出。中国遠征(7月)に参加。